2013年12月5日木曜日

世界最古の国、ジパング


アメリカから帰国してまず改めて感じたのがいかに世界において「ジャパン」という存在が極めて稀な存在であるかということでした。

まず国という単位で見ると、アメリカは1776年に独立してからまだ250年という年月さえも経っておりません。これは近所の庶民的なお寺や神社の方がいかなるアメリカの権威ある建物よりも歴史が古く、土地に根付いていることを物語っています。

しかしながらアメリカ文化とそのシステムは20世紀の成功と繁栄の象徴となり、いま現在でもグローバリズムという形で日本を含む世界中を支配している状況にあります。

では、日本という国の起源を見てみましょう。その建国はあまりにも古すぎて年数さえ特定できないようです。日本最古の歴史書、古事記や日本書記によりますとその年数は約2000年といわれております。実はこれは世界中で現存する国としては世界最古となる年数であるというのです。

また、その歳月と並行するかのように日本人には民族的な深みがあります。よく日本は単一民族国家としてとらえられますが、実際には日本人という人種は様々な民族の血を引いたハイブリッドであり、必ずしも単一民族であるとは言いがたいのです。



私自身、父方の祖父は徳島県最南端の宍喰町(ししくいちょう)が出身です。地図で確認するとそこは太平洋に面した海沿いの田舎町であることがわかります。詳しくはまだわからないのですが、こうした位置関係、そして自分の容姿を分析するとわたしの遠い祖先は、黒潮(上の地図参照)を利用して北上してきた南方からの海洋民族ではなかったのかと勝手ながら推測してしまいます。

このように長い歴史を辿っていくと、日本人とは大陸、朝鮮半島、南方、北方と様々な人種が複雑に混ざりあった特殊な民族であることが分かるとおもいます。

そして、そのような長い歳月をかけて育まれた日本人最大の特徴は、やはりその自然環境や鮮明な四季から生まれた「自然観」にあるのかもしれません。前回の投稿で加藤芳則さんの言葉を引用させてもらいました。「社会人である前に自然人であれ」という言葉なのですが、これは実は日本人にとっては非常にシンプルであり、誰もが本来持ち合わせていた特長なのです。

それを証明するかのように、現在でも日本人の文学、美術、音楽、そして食文化など幅広い分野でその精神性を垣間見ることができ、世界的にも高い評価を受ける由縁であります。したがって自然人という表現は日本人そのものなのです。最終的にこのように解釈をすると加藤さんは私たちに本来の日本人らしい感性を取り戻す必要性を唱えていたのかもしれません。

21世紀現在、私たちは人類史上最も混沌とした時代に放り出され、ある分岐点におかれています。世界最古の国の先人たちに学び新たな価値を見出していくのか、それともこのままグローバル資本主義に呑み込まれていくのか。その明暗は私たち若い世代の人間が一人一人今後どのような生きかたを選択するかによって、決定されていくのかもしれません。

人生という旅は続きます。



2013年11月27日水曜日

加藤則芳さん


前回の投稿で麻に関する記述をさせていただきましたが、一つ訂正点があります。麻の原産地を「ヒマラヤ」と書きましたが、実際は「中央アジア、カスピ海周辺」ということです。

引き続き麻に関して書こうと思ったのですが、今回はアパラチアン・トレイルの話に戻したいと思います。

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ここ数年、日本で「ロングトレイル」という言葉が知れ渡るようになりました。しかし、それはある人物の功績があったからだと思います。バックパッカーそして日本を代表するネイチャーライターとして数々の本を世に送り出してきた加藤則芳さんです。

私は2012年の春、加藤さんの著書「メインの森をめざして」という一冊に出会います。これは05年に加藤さんがアパラチアン・トレイルを歩いた時の経験を記載したノンフィクションです。実体験を元に描写されるトレイルの世界、そして的確に語られるアメリカ社会やその時代背景。この本を読むにつれて、今までとは違う旅、ロングトレイルという壮大な世界に引き込まれていきました。また、この本には加藤さんの温かい人間性が表れており、そこから生まれる親近感によって、一緒に冒険をしているような気分にしてくれたのです。この結果、私は翌年のスルーハイクを決心することになります。


加藤さんの著書には他にも「ジョン・ミューア・トレイルを行く」、 「森の聖者」、「日本の国立公園」など、環境保護やロングトレイルの文化を通し、自然との共生を私たちに語りかけてくれました。

この様に多くの人に親しまれ、影響を及ぼしてきた加藤さんですが、この4月、64歳という年齢で亡くなられてしまいました。日本のトレイルカルチャーをこれから作っていく段階であった中、本当に悔やまれます。私たちは偉大な先人を失いましたが、加藤さんの信念は我々、次世代へと引き継がれていくことだと思います。

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 「人間は社会人である以前に自由人、すなわち自然人なのだ
その前提があっての社会人であるべきだ」

-加藤則芳 
(1949-2013)


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2013年11月20日水曜日

スーパーフード 麻の実


前回の投稿で、私はある「スーパーフード」と再会したことを述べました。では「スーパーフード」とは一体なんなのでしょうか?私もはっきりとした定義が知りたかったので、調べてみたところどうやら明確な定義はないようです。あえて記述するなら以下の説明が最もわかりやすいように感じられました。

「カロリーは低いのにありとあらゆる栄養素が含まれる食品」
「3種類以上の栄養素を含有していて、人間の営み、エネルギー生産に有効である天然食材」

などなどです。そんなスーパーフードにはアマゾンからヒマラヤ、そしてアフリカ。原産地をみるだけでも世界中の原住民が食べてきた伝統食材が名を連ね、実際日本にもこのような食べ物はたくさん存在することが考えられます。

今回の旅で私が多大な恩恵を授かったスーパーフードとは、日本とも縁のある、「麻の実」でした。麻とは日本では「大麻」とも知られ、産業用に使用される場合は国際的に「ヘンプ」としても知られております。麻の原産地はヒマラヤ付近ですが、その優れた適応能力によって世界中に繁殖しているグローバルな植物です。

日本では縄文時代から麻の実を食する習慣があったと言われ、現代でも七味唐辛子の一つの原料として麻の実が入っております。また、麻は衣食住すべての資源となるため、日本全国で当たり前のように栽培されていたのが事実です。しかし、戦後のGHQの石油化学を優先する政策により国内での麻栽培は実質全面的に禁止となり、社会的にも劣悪なイメージが作り上げられてしまったのです。

そんな麻ですが、近年では世界中で復活を遂げようとしています。中でも食料としての注目は大きく、カナダ、マニトバ州の広大な農地では産業用に麻の実が生産され、皮肉にも世界中に規制を促したアメリカの市場にもしっかりと健康食品として存在しているのです。



さて肝心の麻の実の効果の方ですが、前述したとおり、エネルギーが必要な運動全般にむいていることを体で実感しました。摂取方法は大体、1回にスプーン3 杯をグラノラなどと同じタイミングで食べます。特にエネルギー消費量が多い、デカイ登りが始まる前に私はこの麻の実を取り入れることによって登り中も疲れず、スイスイと一定のペースで登ることが出来たことは言うまでもありません。

麻の実には驚異的なタンパク質が配分されており、その質も体外から吸収する必要があるアミノ酸が豊富であるのです。また、必須脂肪酸であるオメガ6と3が含まれており、鉄・銅・亜鉛などのミネラルも含まれ、まさに、「ザ・スーパーフード」と言われる要素がたくさん含まれているのです。

肝心な味の方もくるみの様な香ばしいナッツの味がして味覚的にも非常に楽しめる一品であることも大きな魅力です。

詳しくは今のところ日本で唯一、カナダ産の麻の実を販売しているHEMP KITCHENのページをごらんください。

つづく

2013年11月13日水曜日

アパラチアン・トレイル <食>


トレイルを歩き終えてから1ヶ月が経とうとしています。

今となれば約1年半、このアパラチアン・トレイルを歩き通すことを目標に生活してきたので無事その目標を達成出来たことを素直にうれしく思います。

しかし、ゴールにたどりつけたことよりもその道筋で多くを学び、まだまだ未熟な点が明らかになり、今後の人生に役立つためのヒントを得る事ができたのが一番の収穫だったのではないかと感じております。

6ヶ月間、森の中を毎日歩く、「歩・食・寝」の生活。

そのいたってシンプルな行為を続けること。気がつけば、心身共に磨かれ、大小、様々な発見を積み重ねました。そんな多くの気付きの中でも突出していたのがこの生活を根本から支えることとなる「食」であったわけです。


現代における「食べる」行為は娯楽的要素が強くなっています。もちろん私も美味しいものを食べることが大好きです。しかし、一日6-12時間歩くこととなると逆に食べなくてはやっていけないのです。従って何を、どのように、どれ位、いつ取り入れるかによって自分の体が反応し、機能することが鮮明に表れます。今まで栄養学など学んだことはないのですが、理屈以上に体が欲する物を自然と感じ取り、食べ、エネルギーに変換される行為を繰り返すことによって食に対する意識が格段と変化していくことに気付きました。

よく、登山などの世界で食べ物のカトラリーが「武器」と言われることがあります。特に誰かと戦っているわけではないのですが、おおげさな意味でも自然界で野生的な活動をする人たちにとって食べる行為は一種の戦なのかもしれません。

このようにアパラチアントレイルを歩くハイカーにとっても「食」は死活問題。そして、その食料の調達方法も人それぞれです。事前に家から自分宛に各町の郵便局へ郵送したり、家族から送ってもらったりするハイカーは多いのですが、私の場合海外渡航ということもあり、完全に現地調達という方法でやり過ごしました。

現地調達と言う響きから森の中で食べるものを採集することが想像できますが、残念なところ今の自分にはそのスキルが足りません。ですから一般的なスーパーで食料を買って調達することとなりました。その基本となったのが、いわゆるどこでも手に入れられる市販品の「ハイカーフード」です。

「ハイカーフード」の定義を満たすには、包装が少なく、軽く、調理時間が短く、値段もお手軽で、おなかいっぱいになることが条件になります。それは主に炭水化物となるインスタントの米、パスタ、クスクス、ポテト、ラーメン、パンなどです。しかし、これだけでは栄養が足りないのでパンチの効いた野菜が必要となります。特に携帯性、そして持ちが良いニンニク、しょうが、ズッキーニ、シャロットなどの野菜に助けられました。その中でもニンニクとしょうがは相性がよく、疲労対策や風邪予防におおいに役立ったと感じました。後は歩く最中に取り入れる調理不要の行動食。ナッツ、ドライフルーツ、グラノーラ(袋)、クリフバーなど。こちらも栄養素が求められ、摂取方法も工夫を重ねることによって自分のお決まりパターンが定着していきました。

アメリカは全世界でも最も肥満を抱えている大国であることは言うまでもありません。大半の人は食に対する正しい知識を持てず、子供の頃から食品会社に毒されて育つため、大人になってもその食習慣は身に染み付いているのです。しかし、その反動からか、カナダを含む北米では様々なオーガニック食品会社が存在し、健康食品あるいは有機食品というジャンルがしっかりスーパーでも定着していることがわかりました。

こうして様々な食べ物と向き合いながら旅を続けていくうちに私はある「スーパーフード」と再会します。そしてその効果を体で実感するにつれ、ある確信が生まれていくのでありました・・・

つづく (次回へ)

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6月29日
アイスクリームのハーフギャロンチャレンジにて(ペンシルベニア州) 正式な中間地点到達を祝い、伝統行事として大食いのハイカーは約2Lのアイスクリーム完食に挑戦するのです。

左からTurbo, Buckeye, Promise, Neon。 皆トレイルネームといってトレイルでは新たな名前がこの旅の間、与えられ、結果的にお互いの本当の名前を知らない場合がほとんどなのです。ふざけた名前が多いのですが、私の名前はある出来事によって初日から6ヶ月間KOBE(コービー)となってしまいました。

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アパラチアントレイルの一部区間(メイン州)の映像です。この日の山は雲に覆われ気温も低く寒い日でした。今回の旅で撮影した数少ない貴重な動画の一つです。低画質ですが、「歩く」行為の雰囲気が伝わるとおもいます。


2013年10月15日火曜日

Millinocket, Maine

The AT adventure is now complete.  Summited Baxter peak on the 13th right around 9am on a beautiful day.  Blue skies and a rising sun all surrounded by the huge mountainscape of Katahdin. The thick fluffy clouds that mingled with this giant monolith truly gave me the sense that I had reached the pinnacle.  This marked the end to something great, but a beginning to something new.

Now that I have reached the end, I would like to thank my parents for worrying about me just like any other parents would do.  I hope this blog has been helpful for you.  Lastly I like to express my appreciation for all the ridiculously crazy, and talented people I have met over the last 6 months on the trail.  The people on the AT is what makes the AT so unique, and I like to thank them for being involved in my version of this fairy tale. 

Now will get some rest and do some reverse rehab into society before flying home.  See you soon ! Bye for now.

4/13/2013 Amicalola Falls, Georgia

10/13/2013 Baxter Peak / Katahdin, Maine


2013年10月4日金曜日

Monson, Maine

Heading into the last strech of the Appalachian Trail.  This is the land described as the "Archipelago of Lakes"  in Thoreau's classic travel literature, "Maine Woods".  A great environment to just contemplate and reflect back on many of the adventures from the years of traveling. 10 days of supplies packed and ready to go.  This is it.  No regrets.  Gonna soak every minute of this adventure within.  Happy Trails to all !

9/27 "The Horn" (Bigelow Range)

10/1 "Moxie Bald Pond"

10/2-3
2 great indiefilms@ Monson
"Trail Magic"


2013年9月27日金曜日

Stratton, Maine

In town for a quick recovery and some updates.  Have not been able to get in the miles this past week, as I felt it was best to take it easy and recover from the demanding terrain of southern Maine.  (20000feet elevation gain / loss in 4 days).  Anyways, getting closer to the end with less than 200 miles (320km) left to go.  The weather seems to be good for the next week, so will try and take advantage of that and enjoy whats left.  Hoping to do another update at Monson, right before the "Hundred Mile Wilderness" and the summiting of Katahdin.

9/21 "Sabbath Day Pond"

9/24  First encounter with frost/snow (Saddleback Mt.)